あらかじめ給料の中に、一定時間分の残業代を含ませておく賃金のことを「みなし残業」というが、なぜみなし残業というものが存在するのか?タイムカードがあるなら残業時間を管理したほうがいいのではないかと思っていた。求人を見ているとみなし残業が多い事に気がついた。
目次
みなし残業制度が必要な理由
みなし残業が必要とされる理由としては、例えば営業のような業種によく使われている
営業は、基本的に会社の中で仕事をするより、外出して会社やお客さんのところへ訪問するスタイルで仕事をしている。仕事相手がいるので、相手の時間を合わせることが多い。会社にいちいち出社してからお客さんのところへ行ったり、退勤するときにわざわざ会社に帰ってきてタイムカードを押すのではなく、会社によらずに直帰することもある。
そうなるとわざわざタイムカードを押しに会社へ来る従業員のムダが出てくる。その手間を省くために、あらかじめみなし残業を含ませておいて、「曖昧な時間」を「みなし残業代」として支払っている。きっちりと勤務時間を管理しにくい仕事には有効な手段だ。
だけど営業以外の「勤務時間が管理しやすい仕事」にもみなし残業が使われていた場合はどうなのだろう?みなし残業にする意味はあるのだろうか?
みなし残業制度のメリット
最初に言ったように、営業のような時間の管理がしにくい職種にとっては、まとめて払っておくことで管理がしやすくなる。残業時間の計算の手間が減るので、給料を管理する事務職にとってもメリットがある。
社員のメンタル的な要素で考えると、固定残業をあらかじめ払っておけば、作業を早く終わらせてしまえば、みなし残業代によって高い給料の状態で少ない残業時間に押さえることができたならば得をしたことになる。それによって作業効率をあがるという意見もある。
みなし残業制度は会社にとってメリットは少ない
労働基準法では
みなし残業代以上の時間働いたら+残業代を支払わなければいけない。そして、みなし残業は固定給という扱いなのでみなし残業代以下の労働時間、たとえばみなし残業30時間分の給料が支払われている職場でも、1ヶ月20時間の残業で収まってしまった場合、10時間分の給料を余分に支払っていることになる。
だからみなし残業は、会社にとってマイナスのはずなんだよね。だけどみなし残業を取り扱っている企業が多い気がする。
みなし残業制度を悪用
知人から聞いた話だと「みなし残業代が含まれているからこれ以上残業代が出ない」と会社から言われた人もいる。この話が本当なら企業はみなし残業制度を悪用することができるのでは?
ブラック企業のいいなりになってしまう社員がいるから、残業代が出ないという言葉を鵜呑みにして、そのまま働いてしまう人、または請求せずに諦めてしまう人もいるだろう。こんな人が多いのであれば、みなし残業制度は都合がいいのかもね
求人広告にのせるときのメリット
求人広告には月収○○万円(手当含む)とある
こんな項目があるが「手当含む」の中にみなし残業代を上乗せした金額をのせることで「月収を高く見せる」こともある
営業じゃないのにみなし残業がある仕事には要注意!!
毎月60時間の残業代が含まれているということは毎月60時間残業させられる恐れがあるということ。その割には年収が低すぎる。
60時間 × 12ヶ月 = 720時間を犠牲にしていることになる
営業のみなし残業であっても注意
みなし残業代が含まれない場合だと基本給は約18万円になる。基本給が安くなると言うことは、基本給の○ヶ月分という基準のボーナスもつられて安くなる。それでも営業で成績を出してたくさん給料をもらうぞと思う人は営業職をえらべばいい。
企業にとって人件費は押えたい費用のひとつ
デフレで物が売れないと言われている時代なら費用を抑えたいはず。だから企業は人件費も抑えたいはず。2008年にリーマンショックを経験した企業なら固定の給料にしてしまう恐ろしさはわかっているだろう。
リーマンショックの頃は仕事が減り、残業するほどの仕事もなかった。みなし残業制度だと残業しなくても、残業代を支払うとことになる。もしリーマンショックの時みたいな時代が来た時、みなし残業制度を採用していた場合は働いていないムダな給料を支払うことになる
ブラック企業があるという事実と組み合わせて考えると、みなし残業制度というのは従業員を入社させるワナのように思える。みなし残業制度を採用して給料が高いように見せて、人を雇ってしまう。
日本人は真面目な人が多いので簡単には辞めない。入社させてしまえば、あとは都合よく人を使えるとでも思っているのではないのかな?
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